A.M.S.C国際美術選考委員会代表のアルフォンソ・ゴンザレス=カレーロ代表とリモート対談
「アートメゾンインターナショナルVol.27」において日本全国の芸術家の中でも最も重要な芸術家として選抜されA.M.S.C国際美術選考委員会代表のアルフォンソ・ゴンザレス=カレーロ代表とリモート対談が4ページにおよび掲載された。
アルフォンソ・ゴンザレス=カレーロ代表とリモート対談模様
アルフォンソ・ゴンサレス゠カレーロ(以下ゴンサレス):以前よりあなたの作品はよく知っていましたが、今日、こうしてお会いでき大変嬉しいです。
朴正文(以下):2019年に上野の森美術館で開催した私の個展に、後援のお祝いメッセージをお送りくださり、ありがとうございました。私も本日、作品の話ができることをとても楽しみにしていました。
ゴンサレス:ではさっそく話を聞かせてください。作家活動を始めるきっかけは何だったのでしょうか?
朴:小学校の時に作品が海外のコンクールに入選し、賞を獲ったのですが、当時は画家の道へ進むとは思っていませんでした。けれども、高校卒業間近になって進路を選択する時に、自分の未来をどう築くのかと深刻に悩んだ結果、「絵の世界は年齢に関係なく、自分を表現できる。こんなに素晴らしいものはない」と思うようになりました。
ゴンサレス:アートの世界に入ることを若い時に決められたのですね。絵画とは一生続けることのできる芸術です。その道を選ばれたのはとても良い選択だったと私は思います。
では、制作する上でのコンセプトやモットーについても教えていただけますか?
朴:私は在日コリアン2世です。とても複雑な環境の中で生まれ育ちました。
絵を描く上で、私たちの民族の統一や平和を願うために「画家として何を描かなければいけないのか」を考えるようになりました。民族分断の悲劇と、在日コリアンに対する想い、故郷への想いを、私はいつも心に留めています。
作品を通して、人の苦しみや悲しみを喜びや希望に変えたいという信念を持って、絵を描き始めました。
ゴンサレス:作品からもあなたのそうした感情が伝わってきます。お話を聞くとさらに、いろいろな想いが作品に現れていると感じます。
朴:ありがとうございます。私は常に、心の叫びを描く、真の芸術家であり続けたいと考えています。
ゴンサレス:現代において、そのような強い想いを持った芸術家は有で、重要な存在だと思います。
制作の際のアイデアやプロセスなどについて、お話しいただけますか?
朴:私の境遇や生き様、そして世界情勢や政治経済など、全てがアイデアにつながります。生きていく中で私は何を訴え、何を叫び、作品を通して人にどんな感動を与えたいのか。そのようなことをいつも考えています。
『寂寥』(168ページ下)という作品では、真っ暗な闇の中、孤独と苦しみを抱えながらも希望を持って耐え抜く鳥の姿を描きました。これは2014年の作品で、2022年に描いたのが「飛翔』(168ページ上)です。同じ鳥を構図の中心にしようと、最初にモチーフを決めました。「寂寥』で描いた暗闇の鳥が、『飛翔」で光を浴びて羽ばたく姿は、世界が新型コロナウイルスから解放され、世界の平和と喜びに満ちた新しい希望の朝の光が訪れる情景を表現しています。
ゴンサレス:あなたの作品には強い象徴性があり、感情が作品を通して鑑賞者にも伝わっていると思います。
作品にはどのようなこだわりがあるのでしょうか?画材やスタイルなどはいかがですか?
朴:私は今、油彩画とパステル画を描いています。画材に対してこだわることは特にありません。ただ、苦心しているのは、「本物の作品”になっているのか、命が宿っているのかという点。表面の美しさではなく、心の奥深い美しさが自分の作品に表れているのかということを、私は最も大事にしています。
ITやデジタルが、芸術の世界でも主流になりつつあります。古い考えかもしれませんが、私は流行を追いたくはないのです。古くてもいい。誠実で真面目なリアリスムを追求する画家として、人の悲しみや命の大切さを訴える作品を描きたいと考えています。
ゴンサレス:今や世界には多種多様なアートがあります。それはつまり、様々なタイプのアーティストがいるということです。あなたの場合はリアリスムが、自分に一番合った作風だと思うのです。象徴的なモチーフを用いて、自分の気持ちを表している。アーティストにとって重要な自分のスタイルをあなたは既に見つけているので、これからもその道を歩み続けてください。
朴:ありがとうございます。とても励みになります。
ゴンサレス:最後の質問になりますが、今後どのような活動をしていこうと考えていますか?
朴:「ル・サロン」で銅賞を受賞するなど、画家として評価を受ける機会に恵まれるようになりました。また、上野の森美術館での個展開催や、銀座に常設ギャラリーがオープンするなど、日々忙しく活動しています。
2023年には77歳になります。そこで思うのは、あと何年、活動して絵を遺せるかということです。これからは今まで以上に人の心に残るような、鑑賞した人が作品を中心に語り合えるような絵画を描いていきたいと考えています。あなたの住むスペインは、芸術家大国です。偉大な芸術家たちが描いた名作は、現代でも多くの人に感動を与えています。どうしたら、彼らのように自分の絵を後世に還していけるか。それを日々考えながら、制作しています。
さらに、私が架け橋となって日本と朝鮮、韓国、そしてアジアの交流を深めたいと考えています。そのために、画家の人的交流を図り、国際友好美術展を開催したいと願っています。
私は絵画教室で絵を教えていますが、このような私の思いや活動を若い世代に話すため、生徒たちを立派な画家に育てていきたいと思います。
ゴンサレス:それは非常に素晴らしい計画ですね。A.M.S.C.(国際美術評論家選考委員会)は、アートを通じた交流を応援しています。
今日は、実力のあるアーティストと色々な意見を交換することができとても光栄でした。
朴:ありがとうございます。私も今日の対談で大きな力をいただきました。
今後も、ご指導よろしくお願いいたします。
ゴンサレス:これからもあなたの活動に注目しています。必ずまたお会いしましょう。
「アートメゾンインターナショナルVol.27」にて掲載
推薦状
様々な芸術表現が溢れる現代において、朴正文氏は王道の具象画を追求する画家として世界各国で活躍している。30 年に及び世界 14 都市で展覧会事業を展開している弊社を通じての芸術活動においても、国内外で多くの権威ある展覧会や美術書籍に作品を発表し、入選、入賞を果たしてきた。
海外展については2017年にマネ、モネ、そしてセザンヌ等を輩出した世界最古の美術公募展「ル・サロン」〜入選し、その年に銅賞を受賞。そして2018年度も連続入選、その後の審査によりル・サロンよりフランス国籍以外の外国人会員として認定された。
日本国内においても 2017年に東京都美術館で開催された雪舟国際美術協会特別展においてオーディエンス賞を受賞。その他、日本で活躍する芸術家を世界に紹介する目的で発行されている「Art Maison international」においても優秀な芸術家として選出、掲載されている。
特に 2023年に発行される「Art Maison international Vol.27」においては、日本全国の芸術家の中でも最も重要な芸術家として、スペインの国家美術鑑定士であり美術評論家でもある A.M.S.C(国際美術選考委員会) 代表のアルフォンソ・ゴンサレス=カレーロ氏との誌上対談が実現した。
朴氏はこれまでも長年にわたりアルフォンソ・ゴンサレス=カレーロ氏から高い評価を受けており、日本で個展が開催された際には多くの団体とともに A.M.S.C.も個展を後援した。
対談の中で朴氏は改めて民族分断の悲劇を描くことを使命として取り組んでいること、具象画にこだわった作品制作を行っていることを情熱的に語り、アルフォンソ・ゴンサレス=カレーロ氏からも改めて芸術家としての強い信念を称賛され、「2022年A.M.S.C.国際美術評論家委員会賞」受賞作家に選出されている。